元小結の千代天山さん 横綱候補から暗転、現在はちゃんこ屋の板長に

写真提供:headlines.yahoo.co.jp

大いに将来を嘱望されながら、ケガに泣かされる力士は少なくない。千代天山さん(40歳・九重部屋)もその典型的なひとりだろう。新入幕から3場所連続三賞受賞という大相撲史上初の快挙を演じ、大関・横綱候補の最右翼に挙げられた。しかし、左足かかとの骨折で暗転。08年1月、31歳での引退を余儀なくされた。今どうしているのか。

■長男の小学校入学直前に白浜へ引っ越し

「いらっしゃい。食材を仕入れてきたばかりで、そいつを冷蔵庫にしまっちゃうから、お茶でも飲んでて」

 和歌山県白浜町。南紀白浜空港からクルマで約7分、紀勢本線と並行して走る県道34号沿いにある、ちゃんこ料理店「力士厨房 千代天山」を訪ねると、黒のオリジナルTシャツにジーパン姿の千代天山さんがいた。

「オープンしたのは09年の6月29日。オレが板長で、カミさんともうひとり、ホール係のパートさんで切り盛りしてる。名物はもちろん、九重部屋直伝の塩ちゃんこだね。鶏ガラで出汁を取ったスープに白菜、ニラ、お揚げ、豆腐、エノキ、シメジ、豚バラ、それに特製鶏団子がテンコ盛りで1人前1680円。他には両国国技館名物つくね串が2本で380円、東京場所名物純レバーが780円。これも値段の割にボリュームたっぷり、って評判だよ」

 入り口には現役時代の千代天山さんを模した縦150センチほどのイラスト看板。店内には仕切り中や土俵入りの写真、手形などが飾られ、「いかにも」の雰囲気だ。

 ところで、千代天山さんは大阪出身。それがなぜ白浜町に?

「カミさんの実家がこっちにあるんだよ。今は中2の長男の生活環境を考え、小学校入学直前の09年3月に白浜に越してきたんだ」

 オープンを控え、知り合いの寿司店とちゃんこ店でそれぞれ7カ月間修業したとか。

「このあたりではちゃんこ料理店が珍しいのもあってか、白浜だけじゃなく、クルマで20分以上離れた田辺市からもわざわざ来てくれるお客さんも多くてね。もちろん、集客の最大の理由は料理がウマいからだけど、ハハハ。ピンチだったのは3年前だね。8月に突然、腰に激痛が走り、痛くて自分でパンツもはけない。てっきりギックリ腰だと思って病院に駆け付けたら、脊髄炎の一歩手前って診断じゃない。即入院になって、12月に再開するまで店を閉めざるを得なかった。貯金でどうにかやりくりしたけど、正直、あの時はヤバかったわ」

■引退の翌月には「寿司店に修業に出てた」

 さて、千代天山さんは91年大阪場所で初土俵。99年初場所で入幕を果たすや、3場所連続三賞受賞という大相撲史上初の快挙を演じ、名古屋場所で小結昇進。大いに将来を期待されるも、02年初場所で左足のかかとを骨折。これがたたって三段目まで番付を落とし、08年初場所、初日の相撲を最後に31歳で引退した。

「オレにとって、初場所がいつも節目になったんだ。で、引退した08年初場所前もけっこう気合を入れて稽古した。だけど、初日、やっぱり体が動かない。で、ここまでやったんだし、もういいかってサバサバした気持ちで引退したよ。大相撲に残る? いや、そんな気はさらさらなく、引退の翌月から、寿司店に修業に出てた、ハハハ」

 今でも九重親方(元横綱千代の富士)を慕う気持ちは強く、名古屋場所や大阪場所の際は九重部屋力士応援のために出向く。

「白浜は古くから有馬温泉、道後温泉、下呂温泉、草津温泉などと並び称せられた名湯。景色も良くて、一年を通じて食べ物もウマい。また、東京から飛行機で1時間弱、大阪ならJR特急で約2時間半で来られ、阪和道路が開通してクルマの便も良くなった。ぜひ遊びに来てよ」

 自宅はJR白浜駅近く。店へはバイクで通っている。

元小結の千代天山さん 横綱候補から暗転、現在はちゃんこ屋の板長に 元小結の千代天山さん 横綱候補から暗転、現在はちゃんこ屋の板長に Reviewed by Sakae Wade on 3:30 Rating: 5

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