シャネルが「N°5」の原料が危機、南仏の花畑に高速鉄道計画


南フランスのプロバンス地方で進行中の仏高速鉄道TGVの新線敷設計画をめぐり、仏高級ブランド「シャネル」が、同社を代表する香水「N°5」の原料となる花の栽培ができなくなるとして抗議している。

シャネルが問題としているのは、「香水の都」の異名で知られ世界的な香水の産地となっている仏南東部グラース近郊を通る新線。

 シャネルはグラースに香水工場を持ち、工場の近くで栽培されるジャスミンやバラを材料に「N°5」を製造している。たとえば「N°5」の30ミリリットル入りボトルには、ジャスミン1000本と「ローズドメ(5月のバラ)」と呼ばれる品種のバラ10数本が使用されている。

しかし、この花畑をTGVが横断すれば、グラースから撤退を余儀なくされる恐れがあると同社は訴えている。  

TGV計画の責任者に宛てた公開書簡の中で、シャネルは強い言葉で、風光明媚なシアーニュの渓谷に鉄道の高架橋を建設するのは最悪の事態をもたらすと批判。

「花畑の上を横切る高架橋が建設され、高速鉄道が定期的に通過するようになれば、シャネルはこの地域の産業支援から撤退せざるを得なくなるだろう」と訴えた。


TGVを運行するフランス国鉄は、67億ユーロ(約8000億円)を投じて開発中の新線が開通すれば、南仏の観光地コートダジュールの地域内アクセスが向上し、マルセイユとニース間の移動は1時間短縮できるとして新線計画への理解を求めている。

(c)AFP/Fiachra GIBBONS


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